多摩川の水質調査活動から見えたこと 第11回全国河川一斉調査より
「第11回全国川一斉調査」(6月7日)は、多摩川の増水と当日雨天のため、私たちは一週間順延し14日に行なった。今回は、降り続いた雨のあとで川の水量は普段より雨水が多くなり、下水処理水を含む上流側と下流側ではCOD値の明暗がはっきりと出たことは大きな特徴であった。私は今年で7回目の調査活動である。
北多摩2号水再生センターからの下水処理水が多摩川に流れる放流樋門の上流(西側)の府中市リサイクルセンター南側では、「COD1」であったが、その下流(東側)では「COD7」という数値がでた。このあたりの水温も23℃と上流側と比べ6℃も高かった。下水処理水が流れてくるところには、大きな鯉や15センチくらいの魚が群れをなして泳いており、処理水のにおい、少し泡も見られた。
さらに下流に向かい、関戸橋下では、「COD1」と一旦堰を通過したことも影響するのか、透視度が増した。水量も多く、流れも早い。このあたりでは、下水処理水のにおいはあまり感じられなかった。普段の中流域の多摩川には、半分から2/3の下水処理水が流れている。やはりまずは、暮らしにかかせない水を大事に使うこと。そして、めぐり巡って私たちの暮らしに戻ってくることを意識する機会は少ないだけに、環境に負荷を与えない暮らしを実現することの重要性を実感するし、伝えていかなければならないことして特にこの時期に強く思う。
土手から河川敷にその都度向かうたびに、野草が咲いている。ハテリノイバラ、キバナコスモス、ヒメジオン、コゴメバオトギリソウ、カワラノギクが見られた。野草に詳しい方といっしょに歩き足元が明るい。「レンリソウ」の保護エリアを設け、希少植物の保存も行っている。毎年この時期に多摩川の河川敷を歩くたび、たくさんの自然が残っていることを実感する。京王線の鉄橋の向こう側には富士山を見ることができ、すがすがしい一日であった。