国が描く「地域包括ケアシステム」  〜要支援者へのサービスのあり方について考える〜

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NPO法人ACT理事長からあいさつ

4月5日、NPO法人ACTとインクルーシブ事業連合が共催企画した「介護保険フォーラム」に参加した。

東京都の75才以上の高齢者人口は2010年から2025年には1.6倍になることが予測されている。団塊の世代が75才以上となる2025年を目途に、「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現すること」としている。要支援者に対する予防給付については、重点化と効率化を進めるとし、通所介護・訪問介護を地域支援事業に移行し多様化を図るとし、2年間の間に準備ができた市区町村から2017H29)年度末までに順次移行を完了させるとしている。

 要支援者が必要とする、医療系サービス・福祉用具・住宅改修などの給付と訪問介護・通所介護を別な事業に分け、後者のサービスが市区町村の裁量となる部分だ。厚労省老健局の川辺勝一さんによると9割の要支援者に生活支援のニーズがあることは認めており、既存の介護事業者によるサービスに加え、NPO・民間企業・住民ボランティア・協働組合等による多様なサービスの提供が可能になると言う。

自治体ごとに協議会の設置や「生涯現役コーディネーター(仮称)」の配置を支援するとしている。地域住民の参加による「生活支援サービス」と「高齢者の社会参加」を軸に、生活支援サービスの担い手の養成やサービス開発、ニーズとのマッチング等の基盤整備を進めるとしている。すでに今年度からモデル事業が開始されている。

 今回の改正では、要介護・要支援の判定内容は変更しないとする。給付事業費全体の3%の範囲としてきた地域支援事業だが、住民主体の互助をあてにした市区町村サービス自体がそもそも成り立つのか、あらたに在宅医療・介護の連携推進や認知症施策の推進の充実も含まれている。自治体間でのサービスの範囲や質に差がでることは間違いない。在宅での中重度の要介護者へのサービス量は果たして現状で充分なのか、要支援者を制度上どのように位置付けるのか、議論は絶やさず継続していく必要性がある。