保全活動とアダプト制度 〜5回目の清掃活動を通して〜
公園等の市民が行う清掃活動や草刈りなどの美化活動を行政が支援し協働管理を進めることが一般的にアダプト制度と言われている。全国1742自治体のうち、約23%の400自治体がアダプト制度を導入しており、年々導入自治体は増えていると聞く。東京都内でも約半分の自治体がすでに導入している。市もH26年度からこの制度を取り入れ、広げていきたい方向性を打ち出している。
市の担当者と環境NPOがこのアダプト制度の方向性について話し合う機会をもち、日頃の活動の実態を職員の方々に説明した。樹木・湧水・用水の保全活動をとおして、清掃活動を行っていること、ただ単に清掃委託、経費削減を目的のごとく進めるのではなく、どのようにまちづくりを進め、その中でどのような保全を考えるのか、清掃活動はその中の一つであることについて説明と意見交換した。
清掃活動をとおして、動植物と触れ合うことができる西府崖線である。実のなる木には鳥のさえずり、水が流れる用水にはカモの親子が列をなす。次の世代にこの環境や景観を残していきたいと思いをはせる。逆に人の手がはいることで見られなくなった希少植物もあり手を加えないための保全地域とすることも必要だ。そんな自然を肌で感じることができる清掃活動でもある。
公園緑地課では、国立市に協力を得、用水路の通水を進めている。生活空間の中に水の流れを作ることはどのような効果をもたらすのか。この意味をまちづくりとして語り続けなければ蓋がされるのみとなる。