「子どもの権利条約」を基本理念とする「子ども総合条例」の制定を・・・

国は1994年4月、「子どもの権利条約」を批准したが、基礎自治体での子ども施策の推進としてその理念は展開できてきたか!

 国では、「子ども子育て関連3法」をH24年8月に成立し、H27年4月から施行することとした。それ以降、今年6月には「いじめ防止対策基本法」や「子どもの貧困対策推進法」が制定され、子どもに関する法律は様々な角度で進んでいるが、そのことを受け止める多くの基礎自治体では基本的理念や子どもの権利に関する考え方についてその方向性は条例で示されてこないまま、基軸をどこに置いて推進していくのか、理念は大きく失われていかないか危惧する。

 府中市でも、「子ども子育て支援法」に基づき、『子ども子育て審議会』を設置し、7月30日に開催された第1回目で計画の策定スケジュールが示された。現在、総括とニーズ調査が交差して進められている。これまでの『次世代育成支援行動計画推進協議会』は『子ども子育て審議会』へと変わった。 市は、H27年度以降の次世代育成支援に関する施策を総合的かつ計画的に進めるため、「子ども・子育て支援事業計画」を内包し、府中市の子ども・子育て支援に関する計画の策定作業を進めるとともに、新制度の円滑な導入とその後の運営に向け、子どもの教育、保育、子育て支援を総合的に進める新しい仕組みづくりを進めるとしている。

 これまでの次世代育成支援行動計画では、子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保や職業生活と家庭生活との両立の推進が挙げられていたが、新法では、子どもに関する専門的な知識及び技術を要する支援に関する都道府県が行う施策との連携に関する事項、ワークライフバランスの推進に必要な雇用環境の整備に関する施策との連携に関する事項等は任意での推進としている。同時期から始まる「第5次府中市男女共同参画計画」との推進連携がとても重要となる。

 社会の『働き方』を整えることと同時に、地域では子どもの育ちを総合的に推進する条例が急がれる。基本的な理念がないまま見解も様々では、大人の目線で進んでしまう展開となる。「子どもの権利条約」が活かされることなく、社会経済の背景に合わせた子ども支援施策を進めるのではなく、基本的人権の尊重を普遍的に進められる施策の展開を今後も求めていきたい。

 松本市で行われる「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2013の参加に続く…