食育としての学校給食アレルギー対応について
昨年12月20日に調布市の小学校で、食物アレルギー等を持つ5年生の児童が、乳製品入りの学校給食を食べ、その後アナフィラキシーショックを起こし亡くなる事故が起きました。
今回の一般質問ではこのことをきっかけとし、発症した場合の体制をしっかり整えておくことと、学校教育の一環として行われている学校給食の中で、食育としての学校給食の食物アレルギー対応について質問をしました。
府中市では、2月5日に小児科医で教育委員長の崎山医師を講師として、アナフィラキシーショックが起きた場合の学校での対応や必要な知識、症状などの講義や実際に練習用エピペンを使用した研修を行いました。その後3本の練習用エピペンを学校ごとに回し、現在全教員が練習用エピペンを使用し、伝達研修を行っているとのことです。今後はこれらの実施を踏まえより緊急対応できる学校ごとのマニュアルも必要と考えます。
学校給食で発症した食物アレルギー症状の約60%は新規の発症だという調査結果も出ており、小学校に入り初めて給食を食べる児童がいることを考えると、食物アレルギーの発症については食後やその後の運動後など注意深く子どもたちの体調を見る必要があります。
近年、児童生徒を取り巻く生活環境の変化や疾病構造の変化などに伴い、アレルギー疾患の増加が指摘され、食物アレルギー・アナフィラキシーなど場合によっては生命にかかわる側面から、文部科学省からは「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が、東京都では「食物アレルギー日常生活・緊急時対応ガイドブック」が出されており、府中市はこれに従って対応しています。
府中市立学校給食センターや住吉小学校の自校方式給食に携わる関係者の方々に、食物アレルギーを持つ児童生徒の給食調理では現在どのように対応しているのかお話しを伺いました。給食センター調理では基本的にピーナッツとそばは使わず、卵・ナッツ類の除去食、果物は代替品で対応しており、前日の準備段階からの確認・保管の体制を同じ人が行うなど一貫した体制を取られていました。除去調理では、メニューの工夫なども含め栄養士や調理員の方々がきめ細かく対応し努力されていることがわかりました。
学校教育の中で、食物アレルギーを学ぶ機会は、学習指導要領にはなく、教職員の自発的は取組として任されています。各学校では給食主任が中心に「食育指導計画」を作り、給食以外の他の教科でも推進を図ることになっています。
質問では、「食物アレルギー」について子どもたちが学ぶ機会をどのように作っているのかに対して、市は学級に食物アレルギーの子どもが在籍している場合は、担任を中心に仲間が配慮すべきことなどに触れ、思いやりの気持ちの中にも安全に過ごすことができるよう指導しているとのことですが、栄養士や調理員も接する機会を持つことも重要です。アレルギーがあってもなくても、命の教育としての「食物アレルギー」について学ぶ機会を持つことを求めました。