ホームレスに女性は少ない その理由は・・・

小福(こふく)桜が咲いていた

「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」で「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし日常生活を営んでいる者としている。厚生労働省がH24年1月の寒い時期に目視によるホームレス全国調査を行った。東京23区では、2,134人のうち女性が65人(男性2,069人)という数字が示されている。

 女性がホームレス状態になると、あらゆる暴力から身を守らなくてはならない。性暴力などのあらゆる暴力の危険性が潜む。安心して過ごせる「屋根のある状態」を確保する必要がある。しかし性風俗産業が絡むなど、否応なく生活している人は多く、出会う機会は少ないと女性の更生施設を知っている講師から聞く。かわ下で対処するのではなく、少しずつ段階を踏んでホームレス状態になるのだから、そうならないための対策を早期から進めることが必要と説明される。DV、貧困、虐待、低学歴、依存症、アルコール、薬、病気、借金、リストラなどが背景にあり、性暴力を何度も経験していると、自分の存在や生きること自体への欲求、人間としての尊厳が破壊される。そうすると自己実現への道は遠くなってしまうことを指摘。生活保護前の支援がとても必要で、重要であると現場を経験している講師からの話は胸に響く。

 売春防止法、配偶者暴力禁止法(DV法)、生活保護法、母子および寡婦福祉法などの法律で、一時保護や婦人相談、更生保護施設が適応される。しかし男性の罰則を設ける法改正は依然と進まない。

 生活保護法に基づく保護施設は、都内には8箇所あり、うち女性の更生施設は3箇所。自治体のケースワーカーの判断で、身体上や精神上の理由により養護や生活指導を必要とする人が対象である。入所者の7割がホームレス状態を経験している。一応10ヶ月が目処で退所を目指し、それまでに一人で暮らすことのスキルや賃貸借契約などを含め生活のスキルを身に付けることを日常のプログラムで行う。