都立「多摩総合医療センター」と地域医療連携・在宅医療の充実について

「総合患者相談センター」の案内掲示板

今年新しく設置された案内板にはようやく相談支援先の案内

相談室内

生活者ネットワーク・福祉部会で病院を訪問し院内視察を行った。

高野事務局長をはじめ、看護科長、医事課長、医療相談係長、退院支援担当看護長、医療連携係長、東京都病院経営本部サービス推進部患者サービス課長と質疑応答をさせていただいた。院内視察はリハビリテーション科、化学療法室、医療相談室、木漏れ日サロン、がん情報センター。質疑応答で感じたことは、急性期病院から地域医療へとつなぐには、在宅での医療と介護との連携が不可欠であるということ。特別養護老人ホームや老健施設はいっぱいで病院から直接入ることはほとんどできない、療養型病床は生活の向上を目指すことはできなく費用負担も大きい。益々在宅での暮らしができるよう安心して医療が受けられる体制が求められる。

都立府中病院から、PFI方式導入で新設、フルオープンから2年2ヶ月が経つ。センターの3本柱は ①三次救急医療病院(東京ER・多摩) ②がん医療 ③総合周産期医療

連携は、府中市をはじめ、周辺13市の13医師会と協定を結び、約580名の地域医療機関の先生が連携医として登録。紹介医師会としては、『府中医師会』が全体の四分の一を占め最も多い。

 昨年春から「地域がん診療連携拠点病院」に認定(同一の2次医療圏内では杏林大学、武蔵野日赤に次ぎ3か所目の認定病院) 今後も、がんに対する集学的治療、化学療法、緩和ケアの充実を図ること、併せてがん相談支援センターを設置し、がん診療全般にわたって広く情報収集と提供を進める。がん診療における病病連携・病診連携については、都下では最も早く「地域連携クリニカルパス」(地域内で切れ目なく医療機関が共有する患者に対し治療開始から終了までの全体的な治療計画のこと)にて医療の効率化に取り組む。 

 H24年度より、患者相談、病院内外の医療連携、チーム医療の支援などを行い、患者への医療・保健・福祉を含めた包括的なサービスを提供するため、医療連携室を「総合患者支援センター」として体制を整備、更なる医療連携を進める。看護相談は「総合患者支援センター・退院支援担当」と名称を改め、3 人の看護師で出発。疾患を抱えながらも自宅でその人らしい生活ができるように在宅療養相談、支援を行っている。昨年9 月からは、入院時にスクリーニングを導入し、患者情報の把握や退院後の生活を意識した関わりを行い、退院後も安心して地域での生活へ移行できるように支援の充実を目指す。

センター・地域医療連携HP  http://www.fuchu-p.fuchu.tokyo.jp/relations/renkei.html

 ・  相談件数がH23年度は22,654件あり。一日60〜80件くらいあり。地域支援センターとのやり取りの業務内容が増えてきている。 退院支援が必要な方は、全体の1割くらいいるとみる。

・ 「入院時スクリーニングシート」が担当看護師から患者に配布され、予測される入院期間が示され、退院後の状況を確認するシートとなる。居住形態、介護者の有無、介護の必要性などを記入し、退院支援計画書の策定の必要性から、退院支援担当につなぐかどうかその先を見極めるものとなっている。平均入院日数は11日間で、入院して直ぐにシートへの記入が始まると思われる。入院期間が短いので患者に対応する担当看護師とのやりとりや退院支援担当者は丁寧に対応をして欲しいと意見を述べた。

・  在宅が整わない場合として、病院を探すことが多い。病院での医療費は月7万円くらいに収まるが、療養型病床は月18万〜25万円などと費用がかかるため難しい方もいる。 

・  在宅医へ一報し患者の引受に関して確認連携をとり、退院時には在宅医師等の関係者や患者・家族も入っての合同カンファレンスを行い退院後のケア体制について協議する場をもうける。患者・家族も含め24時間相談体制はある。

・  「退院支援担当看護師と医療福祉相談の連携フローシート」表より。退院支援担当相談は非常勤も入れ10名で担当している。退院後も3ヶ月に一度を目処に多摩総合医療センターで再診療し、在宅医師との連携を図っている。 医療区分1〜3で受け入れ先病院を探すが見つからない場合もある。特別養護老人ホームは待機者が多い、老健施設入所は2〜3ヶ月間かかるため直接の連携はほとんどない。

・  有料老人ホームの紹介はトラブルとなるためしていない。資料提供のみとなる。

・  課題として、夜間や土日の在宅サービスとして、ヘルパー派遣の充実が求められているが不足している。

  ・ 医療従事者向けとして、医師会との定期的な「医療連携臨床懇話会」などの開催

・  在宅療養診療所は民間なので協力病院になることができない。

・  東京都の施策として、中小病院と連携する末期がんターミナルケアモデル事業が開始されている。 

・  三次救急医療のため、初期と早期のリハビリを行い、回復期リハビリテーションに移転となる。

・  「木漏れ日サロン」では、週に2回午後、予約不要・出入り自由で、丸型ソファーにて座談会方式で患者やその家族の不安や苦痛、生活上の悩みや心配事などについて情報交換を行う場。月1回は医者や専門職からテーマをもって講習会を行う。