議会運営委員会視察 九州3市それぞれの議会改革
2012年10月1日〜10月3日
3市とも人口約5万人規模の自治体で、合併時の大きな流れを受け、議員数の検討から、政務調査費の公表や議会での審議内容を市民への説明責任を果たし意見交換の場の設置を考え、また議会のあり方について議会との距離を縮めるために市民アンケートを実施しするなど、自治体ごとに議会改革に取り組みその議論の真っ最中であった。いずれも市議会議長、議会改革の委員長からの説明を受け熱心に取り組まれている様子が伺えた。
・ 鹿児島県出水市では、2年前に自治基本条例施行 現在議会基本条例の策定中 議会だよりで年間18万円の政務調査費の公開を行っている。使っていない議員が3名。一般質問の順番はくじ。議会軽視の発言をされた方がいる隣市の阿久根市から大きくその影響を受けている。市民アンケートを実施し、市民の議会に対する考えを聞いた。
・ 熊本県合志市 「議会活性化調査研究特別委員会」を立ち上げ、今後は地域での議会報告会を開催していきたい。地域をどのように割り振るかは検討中で、机の配置もくふうして対立型ではなく対等に意見交換できるよう行いたいとのこと。議会が事務事業評価を行ったことについて『市民と議員の条例つくり交流会議』で発表した。一般質問の順番は提出順にくじを引いて決める。
・ 福岡県古賀市 議会基本条例づくりのための素案をつくり、パブコメを取り、来年3月議会で決定したい。市民へのアンケートや条例づくりについて一緒に学ぶ場を作るなどの工夫をする。議会広報誌に傍聴者数を入れ、市民にもっと興味をもってもらう。広報編集は議員のみで行い作成している。議長は4年間継続とし、今総合計画に初めて、議員政策提案をし数項目いれた。政務調査費は一人年間最大12万円。
議員報酬については3市ともおおよそ月30万円台で、議員数は20名前後。議会の質問方式は、一人30分から40分の質問時間で一問一答方式としている。議会費を議員自らが決めるような議会の改革ではなく、広義の意味で市民が議員を使いこなし、議員とともに行政のチェックを進め、より身近に議会改革を日々進めて行くことがどの市も問われている。
さて府中市議会の議長を始め議会運営委員会メンバーがこの3市の視察で学んだことを今後どのように生かしていくのか大きな一歩としなければならない。府中市議会では、3年前に議会内で「議会改革検討委員会」を立ち上げたが、内部だけの検討とした。その中から、常任委員会の議事録をHp上で公開が今年度6月議会から開始した。また、来年度からは、議案の決定の場である本会議をインターネット上で見ることができるように、昨年度から「議会インターネット中継検討委員会」を立ち上げ、答申を出し、現在来年度予算に盛り込む方向で進んでいる。大きな違いは、すべて内部検討のみで進ませ、市民と議会のあり方について市民に向けても根本的な議論からスタートさせているわけではないことが課題としてある。