高齢者の住まいに階段ある生活は難しくなってくる。そこで、エレベーターの設置が必要となり、さらに縦だけのお付き合いではなく隣近所の顔が見えるお付き合いもあると視野が広がる。ここでは外付けでエレベーター2機と横廊下を設置し移動がスムーズにできるよう改修された。
また、高齢者が孤立することなく生活できるようにとコミュニティスペースや食堂があり、全体としてその名のとおり、コミュニティハウス「ゆいま〜る多摩平の森」である。なぜ20年間の借地かというと鉄筋構造として後20年間の耐久度があると改修に踏み込んだ。旧公団とあって、建物と建物の間が広く取られていて、間は家庭菜園ができる空間に変えている。色調をくふくし古いイメージを持たない。
超高齢化社会と少子化の流れの中で、団地のあり方、地域との連携が問われてくる中で、画一的な再生ではなく、現状を見据えた機能を持つ再生へと取り組んでいる企業が先駆的に取り組んでいる姿を学んだ。このエリアには、道路側2棟は若者シェアハウス棟、青い棟は家庭菜園付ファミリータイプ住居がある。それぞれ別の企業が運営しているが、行事等当初から話し合いを密にし連携を進めているとのこと。
近隣には高層の建替えが進んでいるが、このような再生(ひばりヶ丘団地でもすでに実証実験ずみ)に取り組むには、70万戸あるURの再生と民間住宅にも国や東京都の先駆的モデル事業としてきめ細かく補助する制度の広がりが必要で、それを示すためこのような民間の取り組みは注目すべきだ。