1969年に相互扶助の基、高利貸しに対置する貸付事業を目的に岩手県知事により設立認可され、20年後には、消費者救済資金貸付制度が創設される。銀行にかかわってもらうために、組合員の出資金9億円と全市町村の預託金11億円で債務整理や生活資金の貸付を行ってきている。さらには、NPO法人いわて生活者サポートセンターと連携し、生活困窮者や多重債務者への生活再建支援や自殺防止対策にも取り組んでいる。借りる側も貸付を受けながら組合員として出資金もだす。自治体と銀行と生協の一体的運営で成り立つ生活支援対策である。
昨年8月から青森県全域で相談、40市町村と提携し貸付事業が開始している。いまでは、全国の12の生協の取り組みが進んでいる。サラ金などの消費者金融からの借金は四分の一に減っているが、年収200万円以下の方の相談件数が全体の41.5%を占め、借り入れの要因として生活費の補てんが増加し、一方で浪費は減少している。税や家賃、光熱費等の日常家事債務が増加し、60才以上の借入が増えてきている。また、高校は無償化が進んだが、大学が卒業できない事例が増えている。
貸し金業法の改正により借金の総量規制で借りられない場合として増えているのが銀行からのカードローンとなっている。3カ月以上の滞納者は、この4月に全国で469万人いて、滞納した場合は5年間は借入困難となる。ヤミ金融は危険なためセーフティネット貸付を利用することを進める。まずは借金に依存しない家計づくりに努めようと呼びかけ、相談と一体となった貸付事業を進ませている。
もはや自己責任の範囲に留めるのではなく、きめ細かくセーフティネット施策を展開することが必要な社会であり、これはそのためのしくみの一つではないか。