もっとも津波の被害が大きかった沿岸部「大槌町」をいく

被災地支援とは・・・ 視察報告その④

大槌川と小槌川を上る津波と町全体図
大槌川と小槌川を上る津波と町全体図
盛岡市から車で、浸水域人口比12.16%と人口割でもっとも浸水域が広く被害にあった大槌町に向かう。内陸部から徐々に津波被害地区が見えてくる。沿岸部はここから女川町へと進み、全部で9市6町の沿岸部を車で走り最後は仙台駅に向かう計画としている。

大槌町を案内してくれる方に、私たちの要望も応えていただき、約2時間町内を車で回り説明をしてくれた。赤浜地区は、釜石から流れ着いた船が建物の上に乗ったことで有名で多くの人が訪れている。報道で見かけた船は現在は撤去されているが何らか残したいと住民からの声がでているとのこと。

海岸沿いには船も着き整備され始めてはいるし、静かな海はとても美しく見えるが、案内の方の最後まで忘れられない言葉が耳に残る。大槌町役場を前にして「私はこの役場に皆さんを連れてくることはできても、前にして見ることはできない。」海岸線では「がれきをゴミという人がいるが、私たちの生活そのものであり、生きてきた証でもある。がれきをゴミと呼ばないでほしい!」私たちの心にもその叫びが響いた。

がれきを防波堤状の形に整え、そこに木を植え水害から守り、今後森にするイベントが先日行われた場所に行く。宮脇先生が推奨してきた在来種を植え、さらにがれきも生かす活動である。数十年後にこれらの木は人以上の背丈になり根を張ることから強い防波堤になる。一面新芽色に染まり30㎝くらいに成長していた。案内してくれた女性の方からは、「がれきが生かされやがて森になるこの活動が誇らしい。まさに鎮魂の森です。」と声を大きくして話してくれた。