女川町のがれき処理施設を見学 視察報告その⑥

手選別でがれきを分別した後コンテナで輸送

女川町までの間で壊れた水門と周辺のがれき
女川町までの間で壊れた水門と周辺のがれき
輸送先の自治体では、放射能の拡散にならないかと不安な声があがっている。空間線量の測定はコンテナに入れる前や入れた後に計測をしている。ストックヤードで遮蔽線量も測っていると計測器とがれきの形状が披露される。東京都環境局、(財)東京都環境整備公社、宮城県保健衛生局、女川町職員に質問をする。

H24年5月31日現在で女川町の災害廃棄物推計量は286千トンで、3カ所の仮置き場にほぼ搬入済みとなっている。可燃物15万トンのうち当初東京都は10万トンを受け入れることになっていたが、現在は6万1千トンに変更をされている。最後にどうしても残ってしまうのが可燃物ということでその処理を焼却するために東京都は受け入れていて、そのことは東京都市町村議会で決定されたと説明を受ける。H24年度末にこの中間処理施設のある場所は、水産加工工場として復活するために返還される予定となっている。高台に住宅を建てる検討が進んでいて、工場地区と住まいを分ける計画とのこと。がれき処理が進まなければ工場地の利用も進まないと船着き場の拡張の話しも出されている。

廃棄物選別処理施設では、46名の女川の方が登録されてほぼ全員がこの日出勤している。仕事内容は全員ががれきの手選別作業である。廃棄物の種別の重量としては、木材が全体の19%で、コンクリートは43%となっていて、廃棄物処理法で木材は埋め立てに使えないことになっている。

放射能以外では、石綿が気になる物質である。手作業での分別に問題はないのだろうか。また、がれき周囲の粉じんの中に浮遊している物質だと思うと安全対策をしっかりとする必要があると思われる。処理周辺ではとくにほこりっぽい状況であった。

1万人の町民の約1割がなくなっている。全壊と大規模半壊あわせて70%の被害である。向こう側の半島がすぐ近くに見え、こんな複雑な入り江にまで17.5mの津波が到達したことがふしぎでならない。海面が上昇して波が押し寄せることを聞き自然の驚異をもっと人々は学ばなければならないと思った。