静岡県富士宮市の「福祉総合相談窓口の体制」について

東京生活者ネットワークの視察より その1

直営地域包括支援センターの隣には福祉相談窓口
直営地域包括支援センターの隣には福祉相談窓口
 高齢者のみの世帯が増え、また家族が共に支えあいながら暮らしている中では様々な福祉の総合的支援が求められている。東京生活者ネットワークの福祉部会では富士宮市の相談窓口体制について学んだ。

 富士宮市では、高齢者や障がい児者(精神障がいを含む)から多くの相談があることを受け、前富士宮市長はH18年度からの地域福祉計画の中の基本目標の一つに福祉総合相談窓口の設置を盛り込んだ。まずは市役所内に直営の地域包括支援センターを設置し、そこを基盤に総合的に相談できる窓口をスタートさせた。

 H20年度からはさらに生活保護係や児童相談・DV女性相談員を一カ所に集約し、縦割りの相談支援体制ではなく、ワンストップで相談できる窓口体制を築きあげている。「市長が組織体制づくりをしなければボトムアップではこのしくみはできない」と担当課長は話され、市長の強い思いがあったと聞く。

 大事なことは、相談窓口体制として、「まずは様々な困りごとを聞く力(インテーク力)をつけ、アセスメントの作成から課題解決に向かうこと、その中から解決できない課題を政策として持つことにつながる」 アセスメント作成が充実することで他の部署との連携もしやすくなる。あらためて基本的姿勢を学ぶ機会となった。

 このように市民生活の安心を司る行政の相談窓口の役割は、介護保険制度や障害者福祉、生活援護、児童福祉、女性問題などの複合課題を解決するため、福祉総合相談窓口体制の充実は今後益々充実させなければならない。そのための総合相談窓口となっているのか今後も注視していきたい。