3月11日の東日本大震災では、東京都内でも震度5弱の揺れにより、市民生活には様々な面で大きな影響を受けました。たとえば交通機関の乱れによる帰宅困難者は10万人近くにおよび、それにより、保育園児や学童保育児、在宅の保育などでも保護者の帰宅時間が大幅に遅れ、引き渡しの課題が指摘されました。また、高齢者や障害者のデイサービスや在宅での介護サービスに携わっていた介護職も緊急時のケア継続について難しい判断を迫られたはずです。
また、高齢者の地域生活を支えるための相談機関である地域包括支援センターでは一人暮らしの高齢者にどのように対応したのか、障害者の場合はどうだったのかなど、支援を必要とする高齢者、障害者が、その時どのような状況にあったのかを検証し今後に活かすことが必要です。
障害者支援事業者の中には、今回の震災をきっかけにして、事業継続計画BCP(災害時に継続して必要なケアを提供するための対応策など)の考え方を取り入れ、利用者と「災害時個別援助計画」を結ぶなど、新たな対応策を模索しているところもあります。市としても市民、特に支援を必要とする高齢者、障害者などの継続的な支援策について一定の判断基準を示すことが求められます。
震災から8カ月を経過し、東京都ではこの秋、防災計画の見直しを図っており、それを受けて府中市でも今後、地域防災計画の見直しを行うものと思いますが、より実行性のある計画やそれに基づくマニュアル策定のためには、3月11日に高齢者や障害者などはどのような状況におかれたのか、介護事業者はどのように対応したのか、そこから見えてくる課題に対して、以下質問します。
1.3.11の震災時に高齢者・障害者・子どもなどのケアにあたっていた介護者や事業者の行動について、市は実態調査などを行っていますか。行ったとすると、そこからはどのような課題の把握をされましたか。それに対し、今後どのように対応していく予定がありますか。
2.震災直後、市が直接高齢者・障害者・子どもの安否確認や支援など、何らかの対応を行った例はありますか。それは市のどのようなマニュアルに基づくものですか。今回の状況を踏まえ課題はどのようなことだと考えますか。
3.震災直後、その後の数日間、市は事業者に対し、どのような指導などを行いましたか。
4.サービスを提供する事業者が震災時等に対応するためのマニュアル整備の現状は把握していますか。どのような内容のマニュアルが必要と考えますか。
5.市の今後の防災計画の見直しはどのようなスケジュールで進めますか。その際、重点となるのはどのようなことですか。そのために必要な実態調査などは行いますか。他の部署からの聞き取り調査は行いましたか。
6.府中市業務継続計画(BCP)の策定について、何のためのどのような計画ですか。作成にあたってのスケジュールなどを教えてください。内容として、福祉サービスを受けている市民の「災害時の対応」はどのように盛り込まれますか。
7.事業者がBCPを持つことについて市はどのような見解を持っていますか。そのために市として一定の基準を示す考えはありますか。 以上