調布市内 子ども・若者の居場所「キートス」の活動を聞く

すべての子どもの権利が守られ、健やかに育つ地域づくりとは…

調布市青少年ステーション「CAPS」で出逢った相談員の白旗さんが、不安を抱える子どもたちの居場所「キートス」(フィンランド語でありがとう)を立ち上げ活動していることを聞き、調布・生活クラブ生協地域協議会が子どもたちの居場所について学習会を開催するにあたって、白旗さんをお招きするという話をいただき、この日を待ちどおしく迎えた。

最初に、白旗さんから立ち上げに至った思いを教えていただく。「大きな施設ではなく、家庭に近い環境で子どもたちにもっと関わりたい。経験を通して、週に数回の出会いではなく、丸抱えしなければいけないと思った。」 当初、府中市内に作ろうかどうか迷ったことがあったが、「CAPS」で出逢った子どもたちとの交流が続いていることもあり、一年前の昨年10月、調布市内で拠点を持つことを決めたとのこと。

不登校や発達障がいなどで生きづらさを抱えている子どもや若者の居場所として、生きる力を引き出し、思いやりの気持ちも育ってくることの手ごたえを感じているとのこと。そのためには食事をともにしながら、「一日中テーブルの前で座っているよう心掛けています」と聞き役や待つ姿勢を大事にされている。「時には大きい声で叱ることもあります」、一方で子どもたちからは叱ってくれる人がいることが「キートス」の良さと捉えているアンケート結果がある。家庭状況から、苦しんでいる子ども達を支援する重要性を感じ、今は最長22歳と「来る人を利用者ではなく、私たちは子どもたちと呼んでいます。そして絶対裏切らないこと」と寄り添う気持ちが伝わってくる。(新規登録者数は13か月で68人、来室者はのべ1,758人)

公的な補助は受けておらず、大家さんの理解や賛助会費(一口1万円)、寄付、カンパ品などでどうにか続けられているが大変厳しい。年間180万円はどうしても必要と聞く。

来室のきっかけは、教育支援コーディネーター、教育相談所、保健所、心療内科・精神科、来ている子どもたちからの紹介などからとのこと。親からの相談も多く、学校関係者の見学もあるという。府中市の子どもも「キートス」でお世話になっている。

調布市の「CAPS」には、府中市の子どもたちが1割程登録をさせていただいていたことは、先の一般質問で取り上げ、中高生の居場所を求める要望をした。「CAPS」では、調布市の子どもたちの利用が増え、今は府中市の子どもたちの利用はむずかしい。子どもたち一人一人の育ちを地域でどのように支援するか、皆さんの声を聞かせてください。