菅井益郎氏から聞く 「東京電力福島原発の現状」 <足尾−水俣−福島>

「日の出の森・支える会」が開催

菅井氏は、震災後の3月28日にホットスポットの広がりを把握するために放射線サーベイ活動の手伝いを頼まれ、飯舘村に入ったとのこと。

すでに福島駅うらの駐車場で、放射能レベルが2.2〜2.4マイクロ・シーベルトと数値が出、その場からオーバーシューズを履き向かった。車中からは、何事もない平穏そうな市民生活に、汚染の実態を知らない人とのギャップを感じたと当日資料の著書に記されている。

その測定データをまず村長の菅野氏に報告し、村の方から「あなた方のデータを使って国とも交渉ができる」と一刻も急がなくてはならない決断をすることにつながったようです。

放射能は食物連鎖によって蓄積、濃縮され将来的には危険なものになりかねない。ただし、土壌汚染や労働被ばくもそうだが、その因果関係の立証は非常に難しい。白血病だけは、一定の線量を浴びたことが証明されれば労災認定になるが、直接被ばく以外、因果関係の立証はきわめて難しいと、菅井氏は言う。

足尾、水俣、福島と歴史を繰り返すだけで、少しも歴史を学んでいない。それが日本の近代化の歴史である。アスべストも同じだとある医者も言っている。「すぐには健康に被害が出ないが、すぐに出ないからと言って大丈夫ではない。後で出るかもしれないから、今予防しておかないといけない」だから、「なるべくは避けること、食べないようにすること」この考え方をしっかりと言わなくてはいけない。

天災ではなく、人災を受け、住民や国民の生活が奪われたことに責任をとり、放射線量など不確かな情報しかない現状では、暮らしているところで個々にデータがわかるしくみが必要と考えます。東京都内、府中市内でももっと詳細なデータを取り、そのデータが日々全市民にわかるよう示すことが自治体としての責任だと考える。