市内で創めての「小規模多機能居宅介護事業」が開始される

「地域交流スペース」からコミュニティの広がりを期待する

社会福祉法人『正吉福祉苑』が地域密着型複合施設として9月1日から事業をスタートさせる。法人としては、この事業参入は初めてと聞く。

あちらこちらの「小規模多機能居宅介護事業」の見学はこれで6か所目。玄関から入るとダイニングキッチンがあり、家庭的な雰囲気を感じ、ソファー、居間と大きなテーブルが一体となって、ゆとりのある対面キッチンが食器棚と対になって置かれている。脇には、職員が座る備え付けの机と椅子が設置されていて、利用者から肩をたたかれながらお仕事ができるスペースと視た。利用する方の多くはディサービスがメインになる。会話も弾みながら、昼食のにおいがしてくる普通の感覚がそこにはあるようなそんな作りになっていた。奥には、並んで3部屋あり、計5名が宿泊できる。ディサービスの受け入れは15名と聞く。登録は、25名まで。ディサービスに来ない方は自宅にヘルパーが訪問できる。

全体の施設の右半分はグループホーム(認知症対応)、1・2階で同じつくりの2ユニット18名が入所できる。こちらも、たくさんの部屋がある「普通の家」の雰囲気を醸し出していた。リビングから台所、トイレ、風呂が回遊路になっていて、各部屋からベランダも繋がっている。部屋はそれぞれに9室あり、誰かさんのおうちを訪問したようなそんなたたずまい。これまでにないゆったりとしたスペースで何より光彩の取り入れ方がすばらしかった。

地域の交流スペースが表道りにあり、外から入りやすい環境でもある。これから地域に向けて貸し出していきたいと説明を受けた。調理もできる機能にもなっていた。

市立特別養護老人ホーム「よつや苑」の指定管理者である同法人の今後の高齢者支援や介護に対する意気込みを感じる。土地に関しては、市から10年間貸与されている。地域の拠点になる施設運営に関して開かれたものになることを期待する。