介護保険制度が導入されて10年、枠があるからはずれる人々がいる。

第12回NPO法人ACT総会後の映画上映「ただいま それぞれの居場所」より

木更津市にある「井戸端げんき」の施設長:加藤正裕さんから映画上映後に話を聞くことができた。高齢者・有障者のディサービス利用者は25名。天気がよければ外に出る。しいて決めているのは12時に昼食タイムになることくらい。`04年から宿泊施設「かっぱや」を立ち上げる。

「介護する側とされる側がいるのではなく、人間同士としてつながることが大事かなと思う。自分たちも人のつながりの中で生きている。いっしょに居てお互い人間くさいところがあることで心が開かれるんです。」 加藤さんご自身の結婚披露宴も「井戸端げんき」の人たちの中で祝福される映像が映し出された。

玄関はオープン。2階は喫茶。リストラにあった人、精神の病の方など、自称ボランティアは多彩。一日3〜4人のボランティアが自然と集まり、自分の役割を見つけに毎日くる、高齢者だけでなく、有障者、若者それぞれの居場所と考えている。

その他にこの映画には、千葉市「いしいさんち」、坂戸市「元気な亀さん」、京都府城陽市「優人」の日常の様子がよく分かるシーンが人を中心に次々と出てくる。介護保険制度にのらない「元気な亀さん」は、行政の措置では社会的弱者と言われている人たちやその家族に明日はないと痛感し、最初は自宅をディ・ケアの拠点として開放したとのことです。

介護保険制度には「枠」がある。人の生活状況や身体状態は様々。「枠」から外され隅に追いやられた人たちの行き場がないことをどの団体も指摘している。また、「介護」という視点ではなく、共に生きるということを場を通して実現しているドキュメンタリー映画でした。人の力は思いで結集されるとすごいパワーを発し、最後にはみんなが輝いて見えました。