「地域で取り組む緩和ケア」について ケアタウン小平クリニック山崎院長から5年間の取り組みを聞く ①

府中ホスピスを考える会主催「府中でも実現したい地域で家庭でホスピス・緩和ケアを」に参加して

「府中ホスピスを考える会」代表の小西厚子さん、そして、野口市長、高野議長からの挨拶で講演会が始まった。コンベンションホール飛鳥には、市の関連職員、介護職やたくさんの市民の皆さんでいっぱいになった。2001年から様々な講座を開催されてきたこの会の参加はこれで3回目である。

最初の講演は、ケアタウン小平クリニック:山崎章郎院長から「地域連携の緩和ケア」の取り組みについて話を聞く。日本は長寿国となり2人にひとりはがんであり、3人にひとりがガンで亡くなっている。ガンが見つかっても慌てない事、治療法はたくさんあり、選択肢が増えている。インフォームドコンセントも重視され、セカンドオピニオンも取り入れられ様々な医者の意見を聞くことができる。この先どこで誰と生きていくのかを考える一定の時間があるので有効に使うことが大切である。医者が告知をし、現実と向かい合い、その人に合った治療法が何かを探り、そして緩和ケアが進んできた。14年間の桜町聖ヨハネホスピスケアで学んできた経験を次のように話してくれました。

①まずは苦痛を和らげること WHO方式での緩和
②インフォームドコンセントの大切さ うそをつかないこと
③医師、看護師、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどがチームとして係わる。心理的、社会的に支えていくこと。
④ボランティアとの協働の大切さ 日常生活を支えるためにはボランティアなしではあり得ない。
⑤スピリチュアルケア 生きる意味を失わないこと
⑥グリーフケア(悲嘆ケアの大切さ)同じ苦しみを分け合うための交流の場があること

緩和ケアとして、痛みの和らげは在宅で過ごすことの方が軽減される。年間33万人のガン死亡者は、ホスピス・在宅がそれぞれ6%、一般病院は88%となっている。この現状が果たして最後の選択肢として望むことなのか、早く死んでしまいたいと思ってしまう場で亡くなっている現状を少しでも変えたい。施設ケアの取り組みは限られていて、来た人のみが対象。在宅で過ごすためにはみんなで地域ケアに取り組むこと。医療従事者が在宅に出向くことで生かせる。5年前からはじめたケアタウン小平とはどのような場であるか、ここから話がさらに進む。

下記は、ケアタウン小平クリニックでの4年間のガン患者の在宅での看取りは約70%、非ガン患者は約75%