長野県飯田市(環境文化都市)の取り組みを学ぶ ①

官民協働で、市内160箇所以上に太陽光パネル設置が進む

長野県南部にある飯田市は日本で一番日照時間が長い地形。1996年から『環境文化都市』を掲げ、2010年までに温室効果ガスの10%削減(1990年対比)を目標に、恵まれた環境特性を生かし、地域ぐるみで温暖化防止活動に取り組んでいる。

2004年に環境省の「まほろば事業(パートナーシップ型環境公益事業)」を活用し、民間会社「(有)おひさま進歩エネルギー」を設立。自然エネルギーを利用し、二酸化炭素を削減するため、省エネルギー事業(エスコ事業)、創エネルギー事業(太陽光パネルやペレットストーブなど)、カーボンオフセット(グリーン電力証書の販売など)の取り組む。事業資金は、補助金と全国から出資者を募り、多くの賛同を得た市民ファンド2億円(発電された収益の一部を出資者に分配金する)を活かし、現在、太陽光パネルを市内160箇所以上に設置が進んでいる。

ではなぜ、160箇所以上も広がったのだろうか? 通常、公共施設には、民間が運営する太陽光パネルを設置することは認めにくいことですが、「(株)おひさま進歩エネルギー」と市の太陽光発電事業との協働で、施設の目的外利用を認めたことで保育園や公民館の屋上設置(上記写真・下記は分電盤)を可能にした。市は太陽光発電による電気料を同社に支払う20年間契約を結び、その代金が出資者の配当に回るしくみで分配を実行。原 亮弘社長は「太陽光発電をつけることが目的ではなく、そこにいる子どもたちや地域の人たちに自然エネルギー利用(太陽光熱)のことをどう広げていくかが大事である。『太陽光発電』を保育園に設置するということは、次世代にエネルギーの大切さを肌で感じてもらうよい環境教育になっていく。」とアツイ思いで話す。