H19年10月からは、所得制限を廃止し、 1/3を助成してきたが、ここでさらに全額助成とするもの。H22年度以降は、事業費2億3千百万円増の内、都は6千5百万円、市は1億6千5百万円の増になる。この事業の市の年間総支出は、2億4千2百万円を見込んでいる。都は、所得制限(児童手当基準)を撤廃していないため、市がその部分を全額負担する。
このように全額助成は、東京23区では全区で、26市では今年度から武蔵野市と府中市のみ。また、所得制限を撤廃し、通院時の自己負担額を一回200円としているのは、青梅市、福生市、羽村市。都が統一して行うべき子どもの医療費負担に関して、自治体間で格差を生んでいることは、大変問題である。
市は、この施策そのものが少子化対策と考え、低年齢層の人口が増えることを期待している。この条例の目的として、「子どもの保健の向上に寄与するとともに、子育ての支援に資すること」とある。どの場面においても保健の向上は当然目指すべきもの。中学生までの医療にかかる費用は、「私たち社会がすべてみる」ということの意味を充分に認識すべきと考える。