オーストラリアの高齢福祉を視る ②

病院から医療施設、介護施設、在宅介護の選択

 ナーシングホーム・ホステルの施設割合を40対60にし、さらに、在宅介護をすすめるために、1992年に在宅包括支援策を設け、施設との割合を40対48対12にする目標が掲げた。
 それ以前から、医療と介護の必要度合を客観的に判断する機能が必要となり、1987年からその導入に、医療サイドからアセスメントチームが編成された。医師・ナース・ソーシャルワーカー・理学療法士・作業療法士などがメンバーだ。さらに、病院から在宅への政策と共に、高齢者ケア評価チーム・ACATが各地に整備される。アセスメント作成から高齢者全般の情報提供も役割として拡大されてきた。
 ACATのメンバーは、全員が公務員である。ゴールドコースト市(人口約47万人)の拠点は一箇所のみで、18人が担っている。相談件数は、一ヶ月500件。平日朝8時半から4時半まで開設。
 施設入所や在宅ケアを受けたく申請すると、一週間以内に一日4名くらいを対象に病院や家に訪問をしている。日本で言う制度内容は違うが、介護保険の調査員と審査会の両方を担う人たちである。
 現在オールトラリアの高齢化率は、13%。介護認定を受けている人は、その内19%と聞く。平均寿命は、男性77才、女性83才。日本と同様に長寿国である。