わが国の生活保護制度に、数々の問題点があることを指摘された。一つは、最低生活費は国で決めていて、「最低生活」の中身の検証がないこと。二つ目には、決定までの審査が公表されないことがあげている。決定される要件として、預貯金、土地、家屋があっては、受けられない。親族の財産もチェックされる対象となること。そして、私は、一緒に生活している全員が世帯単位として決定され、それぞれの自立が促されにくいことも問題だと思う。
韓国では、基礎生活保障法(2000年)の中で、カテゴリーごとに様々な保障制度がある。労働能力がある者に対して生計保障(条件付保障の自活事業)、第三セクターを通じた良質な雇用の創出、住居権の確立のための生産・生活の協同を図ること。貧困ビジネスを許さないために相談支援の充実、社会から孤立させないこと、ネットワークを広げることも重要だと大友氏は言う。
住民がプールした税を、住民が使うことは当たり前。再配分の考え方を自覚し、生活保護しかないのではなく、いろいろな扶助がそれぞれ独立して使うことができれば、たとえば、住宅費の補助があればこのまま暮らしていけるなど、ニーズに応じて多様化することも必要と言う。社会がもたらした不均衡さに市民から意見を上げ、問題解決することを忘れてはならないとあらためて確認した学習会だった。