全国に広がる「暮らしの保健室」
「暮らしの保健室」は全国で8か所に広がっている。東京都内では、新宿区にある戸山ハイツ(高齢化率約50%)の1階商店街内にある。2011年7月から身近なサロンとして医療も含んだ相談・連携支援窓口としてオープン。副室長の杉本みぎわさんから活動についてお話しを伺う。周辺には大病院があり地域のかかりつけ医を持っていない方が多くいる。行政の相談窓口は敷居が高く、気軽にお茶を飲みながら世間話をしているうちに今の生活の困りごとに自分自身で気づいてくる。話を聞くことを徹底し適切なサービスへとつなぐ。
・病院に通っているがなかなか相談し難い。ゆっくり話を聞いてもらいたい。
・入院での治療は辛いので在宅療養したい。
・「介護や福祉に関する相談」などに区別がつかず悩んでいる。
・退院するよう言われたがとても不安で・・・
・ガンの辛さや不安を軽くする緩和ケアを受けたい。 etc
イギリスの「マギーズセンター」がモデルになる。がんの治療中で様々な悩みを抱える方々の相談に対応し、自分らしい生き方を選んでいかれるよう生きるプロセスを支え支援する場所で、イギリス国内でも16か所に広がっている。
常勤2名で他はボランティアで傾聴などが行われている。運営面では大変厳しいが、地域の社会資源を緩やかにまとめていく場所が必要と考えられ、最近ではこうした地域づくりの視点から見学者が増え対応に追われている。「暮らしの保健室」のネーミングはいろいろなところで活用してもらって結構ですと杉本さん。 地域包括支援センターを機能拡大し、住民たちが運営し支えるしくみと一体化すれば、ちょっとした工夫で府中でも「暮らしの保健室」を作ることができそうだ。