浦安「夢のみずうみ村デイサービスセンター」 視察報告

 

プール友達に手を振る案内人の方

 

 

いろいろやってみると楽しい!

 

 

利用者の方が案内をしてくれる

 

 

「夢のみずうみ村」は2000年特定非営利活動法人「夢の湖舎」を作業療法士藤原茂氏により山口県山口市に設立、2001年山口市にデイサービスセンター開設、 2004年に株式会社「夢のみずうみ社」設立、2005年山口県防府市に2ヶ所目のデイサービスセンター開設、2011年千葉県浦安市に3ヶ所目のデイサービスセンター開設、2013年世田谷区八幡山に4ヶ所目「新樹苑」(都市型経費老人ホーム、基準該当ショートステイ、デイ)開設、その他小規模多機能型、就労支援施設を経営。現在、NPO法人夢の湖舎、株式会社、社会福祉法人の3法人格を運用している。

①自己選択自己決定に基づく「総合ケアシステム」

集団一斉方式からの脱却。利用者が一日の過ごし方を決定-活動に関しては200種類ほどあり、そのうちの50種類くらいずつが毎日提供される。暗い表情の人もいるが、大半はやりたいことをやっているので生きいきしている。特に男性たちの楽しそうな表情は印象的。また一人で静かに読書や音楽を聴いて楽しみたい方の居場所もある。集団行動は昼食の時だけ、認知症の利用者が4割程度とのこと。若年の利用者もいる。

②バリアフルな施設

利用者の日常生活環境とかけ離れないように、生活できる能力の回復、維持に工夫がある。生きるエネルギーを再生産することがリハビリ理念。本人ができることに対しお世話しすぎない。どこを専門的に支援するかの見極める。車椅子は置いてあるが移動に利用している光景はほとんど目にしなかった。子どもだまし的なプログラムはない。木工工具、陶芸、織物、パン焼き、洗濯、流れるプールでのリハビリ、卓球などスポーツ、健康麻雀など本格的 

③自立支援としてのリハビリをする施設

できるだけ利用者本人の意思を引き出す、お世話しすぎず、介護職の支援が本当に必要なところを見極める。重度化予防、リハビリをメインに建物内部の環境設定(バリアと安全配慮)も提供サービスも考えられている。日常生活行為能力の向上がプログラムの随所に。作業療法士(OT)がプログラミングしている。現在7人の作業療法士がおり、一日2〜3人を配置。マッサージなどはOTが指導するが、手按摩やほぐしは上田法の講習を受けた職員が手ほどきしている。プールの利用には医師の許可が必要。利用者本人が選択してスケュールを組んでいるので、リハビリへの取り組み方はとても積極的。訓練のみならず生活を楽しむためのリハビリを特長としており、ゲーム感覚や楽しみの中に体を動かし、セルフケアの方法を学べ、さらに活動にはコミュニケーションを取るための工夫もされている。

工夫の一つが村内通貨YUMEユーメ。高齢になるとやりくりをほかの家族や後見人に委任していることも多い、また買い物などお金を使う機会も激減している。損得勘定も生活する上には必要との認識がある。リハビリに励むと活動参加に必要なユーメを得られ、村内銀行に預金、引き出しができる。預金通帳を見る表情は明るい。

生きがいをもって生きること、ここに来ることが楽しみになることで体調にも大きなプラスを生み出している。元気になった自分を振り返ることができ、お互いを励ましあって暮らしているそんなデイサービス事業を見た。事業者の方からは話を聞くことは出来なかったが、高齢になっても障がいをもっても一つ一つのテーマを持って暮らし続け目指すことに向かって生きたいものである。