くにたち「はたけんぼ」農園祭に行く

それぞれの力の結集で運営

好きなように土いじりができる場

主催者の方々

国立市「農業・農地を活かしたまちづくり事業」で生まれた「くにたち市民協働型農園の会」(「くにたち農園の会」)が運営する「はたけんぼ」のおまつりが開催された。『農あるまち・国立市』を子どもたちに受け継いでいくため、いろいろな人たちが集まって育てる農園がオープン。国立インター近くの多摩青果市場から徒歩3分、我が家から自転車で15分。まさに「はけ下のたんぼ」である。

 都市農地は相続等による宅地化で減少を続けており、生活環境の保全や防災機能など農業・農地が果たすべき大切な機能が損なわれることが危惧されている。東京都が平成20 年3 月に策定した「農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン」に基づき、「都市と農業が共生するまちづくりモデルプラン」をH23 年3 月に策定。国立市では農業・農地を活かしたまちづくり事業推進協議会が、このモデルプランをもとに、H24 年度からH26 年度までの3 年間に実施する具体的な施設整備や農のあるまちづくりを実現するための仕組みづくりについて検討し、その実施計画をとりまとめた。都の5年間の推進事業費を活用しての「国立市農業・農地を活かしたまちづくり事業実施計画」である。

 例えば、「くにたち・用水・ハケの営農環境保全プロジェクト」については、課題解決⇒プロセス⇒実施事業⇒達成目標を縦軸に、横軸には、農環境の保全⇒用水機能の確保⇒市民の理解促進と、それぞれの推進内容と達成目標を描き、実行計画を作る。農家+市民+国立市が共通認識を持つところから、年度ごとの実施プログラムを作り、その全体を協働で進めるというしくみだ。

 「はたけんぼ」で市民やNPOはどのようなことができるのかというと、

1.グループで畑を借り「農」について情報発信ができる。(年間利用料と管理委託料)

2.「田んぼ会員」になり、お米づくりを一年通して体験する。(年会費)

3.「農園祭」(会費制)にイベント参加できる。(国立市外もOK)

4.就農や運営にも興味がある方で、「農園マスター育成講座」が受けられる。(受講料)

 農業者がそれぞれの農地で体験農園や市民農園事業を個々に行ってきてはいるが、どうも個人の参加に留まり発展できる継続性が見えなかったり、収穫を大勢で喜び合うという関係性に発展しづらい環境がある。農業者からも高齢化になり個々に接することは大変だという声を聞く。それらの課題から農業者も納得のいく、人と人をつなぎ合う新たなしくみが考えられた。

 いっときでも忙しさから開放され、土と触れ合う時間を持つことは心の安定度を増すことにもつながり重要性を増してくるだろう。小さい子どもたちのために「どろアート広場」や三本の竹で立てたブランコ、動物と触れ合える場として羊・ヤギが飼われていた。