「多摩府中保健所」を訪問
府中、調布、狛江、武蔵野、三鷹の5市を管轄する「多摩府中保健所」は府中市内に置かれている。各自治体の生活者ネットワーク市議が集まり、ヒヤリングを行った。
① 東京都地域防災計画の見直しにあたって保健所の役割と自治体連携について
市町村災害対策本部の中で保健衛生主管部と医療救護所との間に「市町村災害医療コーディネーター」を置き、東京都と自治体連携に新たな機能強化を図る。
② 東京都北多摩南部保健医療圏の精神保健福祉事業の進捗状況と自治体連携について
H15年から精神保健の一般相談は市町村で実施、都は未治療・医療中断の相談や専門性の高い相談を受け、市町村を支援し切れ目のない相談の関わりを目指すのが保健所の役割。相談事業は大半が未治療・中断で、次に思春期対応となっている。多問題、児童虐待、発達障害相談対応に関連した相談が増加とのこと。思春期専門グループワークとして当事者または親のためのグループもある。援助者の人材育成が課題とする。
③ 障害者自立支援法から障害者総合支援法に4月から変わることの難病者への支援体制
難病患者187人の内51人が人工呼吸器使用患者で、都の在宅難病患者医療機器貸付事業により吸引機等を貸出している患者は93人。市町村が行う災害時要援護者対策と連動した個別支援計画が作成できるよう保健所は支援することで動いている。4月から自治体窓口で相談支援等を行い、障害程度区分の認定も市町村が行うことになる。130もの難病者に対応できるよう東京都は広域支援・人材育成支援が主な役割となる。
東京都の保健施策の拠点の一つが府中市内にありながら、徐々にその機能が市民から見えにくくなっている。法律改正とともに事業内容が自治体に降りて来ているが、自治体職員数は国の通達で削減されてきた。府中市の人口は増えていることから、職員一人当たりの市民数は増加し、一方で市民への幅広いニーズやサービスに当たらなければならない。児童から高齢者、障害者に対応する保健所機能を市としても多いに生かすべきだ。