「雨デモ風デモハウス」自然のエネルギーを利用した住宅のあり方について学ぶ

雨水を太陽熱で温め床暖房に利用する

天井から風を取り入れることで夏は涼しい

台所からの排水が左から右へと少しずつ流れながら水生生物がきれいに浄化

講師の建築家から、「今の人間は落第点」という話から始まる。今の日本の住まい方には家全体を温めたり、冷やしたりという概念がない。太陽の熱を利用して雨水を温めそれを床暖に使う。雨や雪の日には周りの林からできたペレットを燃やし床暖房の水を温めるのに使う。家自体の空気を冬は床暖房で温め、夏は風と気化熱で冷やす。家で使うエネルギーの半分は、暖房、給湯、冷房などの熱エネルギーで、そのエネルギーの調達を自然から集めてこようという考え方。

 講師が言う原理とは、寒い時には熱を集め、暑い時には熱を逃がすことで冷やす。その原理を家の中で空気の流れを利用して一定に温度を保つことで快適な空間をつくる。温度が下がる朝方までの時間帯に温度を下げないように、温まっている空気を逃げないようにガラス窓の内側のパネルを閉める。ガラス窓が一番熱を逃がすのでそれをくい止めるなど・・・

 台所からの排水路でも生物と共存するための配慮をする。生活排水からでも生物が生きられるようにすることで自然が最後に水をきれいにしてくれる。水生生物が生きられる暮らしをするために『石けん』を使用し、食油もパンにつけてきれいに食べ切ってしまうこと。

 パーマネントカルチャー(持続可能な文化)を育むことが重要と1時間話を聞く。台所の排水の先では、絶滅危惧種の黒メダカやサンショウ藻がいた。太陽光を取り入れて見たものの、締め切ってクーラーを使用しているのはおかしいと東京都環境局「地球温暖化対策推進のための区市町村補助プログラム」は、もっと自然環境を生かし環境配慮住宅の推進をと1件350万円の助成(新築もリフォームも利用可)をしている。市民が集まり、市民が発案したものを小金井市に提案し今年6月から市の施設として開館。この補助金を活用し、民間に管理委託、市民団体がカフェを運営している。府中からは貫井トンネルを北に上がって行くと出たところのすぐ右手の『家』がそれである。

 暮らすという原点に立ち戻って、自然とともに暮らすことを考える機会を与えてくれた。