国立市矢川でほたるを見る

矢川が滝野川学園のなかを流れている。そのぶつかる辺りの橋の両側でほたるが舞う。気温・湿度が高い夕暮れからずっと見守った。付近は、自然な環境の状態で川が流れている。30年振りにほたるを見る。川の上を二匹が交差しながらゆらゆらと舞う。川の流れの音は絶え間なく聞こえ、ほたるは、静かに舞う。この空間がなんともいえない。

その上流で、「国立ゲンジボタルの会」の方がほたるを育てている。大きなほたる小屋には、たくさんのほたるが舞っていた。一部来年に向けて交尾するための小屋がその中に作られている。約500万円かけて、整備したとのこと。矢川で育てていたが、立川の開発に伴い水みちが切れ、すっかり水量が減ってしまったとのこと。ほたるのために、井戸まで掘ったとのこと。井戸水を上からかけるとほたるたちは、うれしそうに光を放す。精魂込めて育てている様子が伺えた。当夜は、近くの小学生の団体や支援者たちが次から次へと集まってきた。

府中市の西府崖せん下の用水路にもたくさんのカワニナがいる。以前、しじみも見つけた。そのため、カモも魚もいる。水がきれいであると、様々な生き物が生息し、人間と動物もこんなにも近くにいっしょに暮らせる地域がつくれるのかと改めて実感する。

先日行った、神奈川県秦野市は、地下水の町としても知られている。民家の数十メートル下を掘れば湧き水が出る。地下水をまち全体で守るための条例もある。敷地内にでる湧き水も「公の水」として、位置づけられている。いたる所にコップがおいてあり、おいしい水でのどを潤わせることができる。府中市でも地下水も井戸水も湧き水もすべて公のものとして、汚染されることなく絶やすことなく使い続けられるしくみは作っていかなければならないと思う。