シジュウガラの巣立ち ②

半月間の雄雌親の役割分担を見る。

メスがじっと卵を暖めている。オスが時々外から幼虫をくわえて帰ってくる。巣箱に近づくと中から「シー」と追い払われる声がする。怖そうな目つきを想像してしまう。

卵から雛にかえったようだ。中は、ざわざわしている。どうやら二羽のようだ。朝8時頃からオスとメスの両方がえさ探しに出かける。巣箱には、雛のみが静かに待っている。交互ににぎやかにえさをくわえて帰ってくる。巣箱入り口では必ず合図の声をかけてから入る。中からは、雛のうれしそうなかすかな声が聞こえてくる。

卵発見から18日目。ついに、雛が顔を出した。外では、父さんがうろうろしている。体全体が巣箱から出てきた。っと思ったら、父さんといっしょに小枝に止まってうろうろ。胸の白い毛の部分は、まだクリーム色。体の割に頭が大きい。くりっとした目が印象的。どうやらこれが「巣立ち」。それから、親子は巣箱には戻ってこなかった。にぎやかにシジュウガラが鳴いていた我が家の庭は、いっきにさびしくなった。

近くの神社では、朝カッコウが鳴く。都会で野生の鳥の近くで人が住める環境がある幸せを感じた数日間だった。