記録映画「葦牙−あしかび− 子どもが拓く未来」から子どもの成長を大人が支えることとは・・・

「みちのく・みどり学園」の子どもたちの成長から学ぶ

多くの大人が学ぶべきこととして、「子どもの成長」はどれほど周囲の大人たちによって影響されるのか、それによって自己肯定感がどのように育まれるのか、この映画を見ることで昨今の社会的現状を突きつけられた思いだ。そして、自分をも振り返ることになる。

この児童養護施設には、3割が病気療養、7割が虐待を受けた子どもたちが入所している。施設内に留まらず、同じ岩手県内で「全国・さわうち・まるごと児童養護施設事業」とし「日本一子育ち・子育ての町」とする西和賀町の家庭にて過ごす行事にも参加している。社会の中で、子どもたちを育てる、「社会的養護」の視点を持ち、人との交流の中から生きる力を育む活動の一環として行っている。この考えの下、子どもたちの成長を支える施設職員。職員の懸命な問いかけが続き、自分自身の気持ちを大舞台で発言する子どもたちの成長にこころが洗われる。

小池監督は、「未来の担い手である子どもたちの受難の先に見えるものは、ほころび始めた私たちの社会」と発信。核家族化孤立化世帯、貧困、格差、社会の歪みは総じて弱者へ。特に幼い子どもたちへのひずみとなって暴力の連鎖をもたらしていると言う。

「地域養護」という新しい視点からこの映画を描こうとするのは、「子どもの尊厳」です。どんな時代でも子どもは世界の希望なのです、と製作意図からもうなづける映画である。東中野上映初日に監督の話も聞くことが出来た。来場者が続くと、年末までは上映しているそうです。