電話をうける相談者を「受け手」と呼び、「支え手」がいっしょになり体制を組み電話対応する。すべてボランティアでかかわる人たちだ。電話での相談は、一つの手段。いろいろな場に出かけ、バザー等を通して現状も知らせている。受け手も養成していかなければならない。このこと自体が本来の目的。子どもの声に耳を傾ける大人の意識を広げる活動も同時に行っている。イギリスでは、このような事業に10億円投資していると聞く。
子どもの発達段階に必要なこととして、相談とは、とても幅の広い意味をもつと考えている。目的を持ってかけてくるわけでもなく、とにかく話を聞いて欲しいと電話をする子ども。やりたいことが見つからない、どうしたら見つかるのか。「ふざけてかけました、学校でいやなことがあった。」など、親や大人との会話が身近に少ないと受け手の方々は、以前から感じている。話す中で、考えが整理でき、本人が決定できるよう、けっして受け手からの押し付けはしないことが原則とされている。気持ちが楽になったり、話すことで解決策が見い出せる子どもたちがいる。
子ども時代に電話でのやり取りにこんなにも効果があるなんて!相談業務だけでなく、地域に向けても講座の開催等で活動を広げていることには大変感銘を受けた。
2008年度の事業では、火曜日から土曜日の16時から21時の2回線で2,114件の着信件数があった。多かった電話内容は、自分自身のことについて(心の不安・ストレス、性、身体の不調・病気)と、学校関係(友人との関係、学校でのいじめ、恋愛等)。高校生以上からの電話も続いている。この5月からフリーダイヤル化に踏みきり、6月は一月で800件以上。子どもとの対話においても、「傾聴」の大事さを認識した。市民活動が広がり、益々必要なしくみと実感する。