後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度のあり方を検討するため、「高齢者医療制度改革会議」を設置し、第一回が11月30日に開催された。新法案成立をH23年春とし、H25年4月から施行と今後のスケジュール(見込み)が示された。検討に当たっての基本的考え方については、
①後期高齢者医療制度廃止
②マニフェストで掲げている「地域保険としての一元的運用」の第一段階として、高齢者のための新たな制度を構築する。
③後期高齢者医療制度の年齢で区分するという問題を解消する制度とする。
④市町村国保などの負担増に十分配慮する。
⑤高齢者の保険料が急に増加したり、不公平なものにならないようにする。
⑥市町村国保の広域化につながる見直しを行う。 とある。
第一段階の取り組みとして、保険料の軽減、資格証明書を交付しない、健康診査の充実、人間ドックの再開、75才以上に限定した診療報酬が挙げられている。まずは、低所得者や前被用者保険の被扶養者の保険料軽減の継続等において、H21年度国の第二次補正予算で2,839億円投入の案が出されている。
意見交換で会場からは、新制度成立まで現在の国保からの移行をしない形が取れないか、現政権中に形として見えてこないので検討すべきと出される。
「障害者自立支援法」は廃止、制度の谷間がなく、利用者の応能負担を基本とする総合的な制度をつくることが、連立政権として政策合意。H22年度予算概要要求について、利用者負担の軽減として295億円。財務省の検討が待たれる。12月9日の第8回厚生労働委員会質問研究会から具体的に話が進んでいる。
3つ目として、「宅老所を全国に広める会全国研修会」の資料を基に報告された。医療と介護、住まい、地域包括ケア、マンパワーの確保や効率化、「地域社会的資源情報担当者」が核になり、市町村とケアマネとのパイプ役を担うことが描かれていた。
私からは、3点の意見を出す。
①介護者(家族、ボランティア等)のレスパイトとして、公的サービス量の支給をする。利用する個人のみを捉えてサービス量を決めるのではなく、取り巻く状況、環境でのサービス量とする考え方を充分反映できる制度にする。
②看護師の決定権を広げる。
③在宅への訪問時間数で、サービス提供責任者等の人数が決まるが、現在の考え方では、社会保障費を含む人件費が拠出できない。
国制度との距離がぐっと近く感じた一日となった。