『特別養護老人ホームの多床室問題』を考える 「雑居部屋特養を許さない緊急集会」に参加して

措置時代の施設のあり方から介護保険法一条「要介護者の尊厳の保持」の考えへと向かいたい

高齢になって、365日カーテンのみで仕切られた相部屋で暮らし続けることをどのように考えますか?

高齢になって在宅で暮らすことが容易でなくなった時、施設入所を望み24時間・365日介護を求めることができます。現在の特別養護老人ホーム(以下特養)のベット状況は多床室での介護体制がその多くを占めています。

一つの部屋に4人以上の人たちがいっしょに過ごす形態を多床室といいます。約10m2をカーテンのみで仕切り、トイレまでの移動が難しい場合ポータブルトイレでの用を足す行為もそのカーテンの仕切りの中で行うことになります。他の人の声や音も聞こえます。ほとんどの方が「終の棲家」となっていて平均5年間の入所生活を送っています。

現在、府中市内には全部で510床ありますが、ほぼ500床が多床室となっています。特養の入所申し込み者が多数になっていることから、東京都では、H23年度施設整備基本指針として、特養を整備する場合は、「ユニット型での整備を基本とする」ただし、「地域における特別な事情があり、合理的な理由がある場合は、この限りでない」としている。

しかし、国ではこの4月に個室ユニット化(1ユニット10人)推進方針を出しています。従来の一人あたりの居室面積基準13.2㎡から新基準10.65㎡に引き下げ、個室推進化を図るというものです。一人ひとりの尊厳が保持できない雑居部屋の多床室ではなく、個室を進める方向性を国は打ち出していますが、東京都は、現在このことを緩和する考えを持っています。

これらの整備基準は、今後「地域主権推進一括法」で地域で決められる案件内容になります。自分が入ることを想定して、今後作られる特養のあり方としてこのことをどのように考えますか。

費用負担できる人は、個室、できない人は相部屋となってしまうことも問題視されていて、横浜市では、独自に部屋代の一部を負担する制度を設けている。