名古屋視察その3:NPO法人わっぱの会・斉藤縣三さんと歩く

共同の住まいから働く場、さらにはみんなの「墓」もある

名古屋市のあちらこちらに共同生活の場がある。障がいを持つ人、持たない人がお互い同居人として協力しながら共に暮らす。

さらに働く場所として、7つの共働事業所の最初に見せていただいたのは、エコステーション。魚等を入れる発泡スチロール箱を粉砕する仕事。次は、わっぱリサイクルセンター(名古屋市西資源センター)にて、ペットボトルの圧縮作業現場。そして、「わっぱん」にてパン工場と販売所。名古屋市西区をぐるっと斉藤さんと歩いて回った。

そして、なごや職業開拓校(愛知県名古屋高等技術専門校委託校)で、「則武屋うどん」をお昼にいただく。生徒たちが打ちあげたうどんを一階の食堂で食べることができる。生うどんとしてお土産用もある。ちょっとかわって黒酢入りで酸化防止剤なしである。店内も訓練の場になっている。企業に働きかけ、障がい者の雇用の場を開拓することを目的としている。

最後に、共育応援ネットは、介助者派遣事業を行っている。ここでも障がいを持つ方が常勤者で、そうでない方といっしょにサービス提供を行っている。

自分たちの社会は、自分たちで切り開く、障がいのある人もない人も共に働く。働く協同組合組織を作り、仕事によって差をつけない基本分配制。障害者年金を含め12万円プラス就労継続加算などを取り入れている。全正社員180名で全員保険に入ること。差別なき労働権の保障のしくみを作り上げている。福祉的就労ではなく、社会的事業所なのだ。年間4億円の事業の内、3億円が人件費と聞く。

競争的労働市場とは異なる就労として、雇用の機会を創出することから、多様な働き方も認め合い、社会的不利な立場の人々にとって新たな選択として「第三の道」と名づけている。営利企業と同じ一般市場の中で皆が共に経済活動を行う。さらに社会的事業所法制化ネットワークを立ち上げ、「社会的事業所促進法」制定へと運動を進めている。

下記は、昨年の共同連全国大会in愛知の模様、今年は、宮城県で8月27日〜29日開催予定