市民がつくる「住まいとコミュニティ・居場所」がある

藤沢市「NPO法人ぐるーぷ藤」のお話と施設見学から

『福祉』という概念ではない、地域に必要な機能を作りたかった!そんな思いが伝わってくる理事長:鷲尾公子さんからのお話を聞く。4階建ての1階は、小規模多機能居宅介護施設とコミュニティレストラン、総合相談窓口、そして幼児教室。2階は、精神障がい者グループホーム、訪問看護ステーション、お泊まり部屋。3・4階がケア付き高齢者賃貸住宅21室。

スタートは、生協でのせっけん運動に携わった仲間とたすけあいの訪問サービスをワーカーズコレクティブ方式で立ち上げたのが1992年のこと。この施設ができる2007年までの15年の実績が大きく評価され、さらには、今後医療と介護が必要な方々にも向き合っていきたいと2番館を目指す。将来自分も受けたいサービスがあること、介護が必要になったら自分が住みたい住まいを模索し創り出している。

地域に根付いた活動から、藤沢市の政策総務部や地元自治会からの推薦状で後押しされ、UR機構から土地を購入。上物とで計5億円の費用が必要で、私募債「藤ファンド」で約1億円を集め、土地を担保に地元横浜銀行からさらに融資を受けた。

小規模多機能居宅介護施設では、高齢者が歩き回る。にぎやかな昼食のひと時が終わった頃だった。コミュニティレストラン・オハナでは、一人で食べにくる人が多かった。ヘルパー資格を持っているシェフとの会話も楽しみにしている。来るはずの人が来ないと電話をするなど見守りもする。食材の品目が多いのにびっくり。作業所から仕入れた個性的な器にたっぷりと野菜が盛られている。

施設というよりは、大世帯の大きな家のにおいがした。働く人の人材の育成や賃金の向上も目指し、常に一段さきを見据えていきいきと暮らしているというぐるーぷ藤は働く人にとっても「みんなの居場所」なんだろう! おいしい昼食と充実した活動ぶりを拝見させていただきありがとうございました。