H22年度では、16校で302名の児童がこの部屋を利用した。H19年にまず1校から開始。学校教育法等の改正の流れを受けたもの。日野市では、H19年3月に、第三次特別支援教育の在り方検討委員会(明星大学・小貫教授)からの提言を受け、巡回相談、特別支援学級の設置、相談体制の充実、特別支援教育推進室の設置、「リソースルーム」の設置などがあげられた。
「リソースルーム」とは、余裕教室などを利用して別な部屋で授業を受ける時間を作ること。時間は週に1〜2時間、学習内容は主に国語と算数、対象児童は校内委員会で検討とし、運営・指導マニュアルがあり、小学校の教員免許を持っている者を配置している。目的は、LDやADHDなどの発達障害等があるために学習に困っている児童に対し、つまずいているところに戻って学習し、児童が困っている状況を少しでも解消し、自信を取り戻し、将来への自立につなげることを目的としている。(下の写真:どのような場所かな?マニュアルより)
伺った13名からは、「リソースルーム」についての質問が多く出された。子どもの意思で別な部屋に行くのか? どのような子どもが対象か? 一人ひとりにあった教育が集団の中で行えないのか? 利用できる対象者はどのような取り決めになっているのか? 子どもが自ら判断して求めてその場に移動するのかが疑問だという意見が多くあがった。教育委員会からは、クールダウンとして利用する場ではない、あくまでも学習の場、プラス思考となるよう○をたくさんもらうことで励みとすることができる、リソースルームティーチャーの研修も行っている、校内委員会で検討を重ねることなどの答弁があった。
通常学級での特別支援教育「ひのスタンダード」の3つの取り組みがある。ねらいとして、特別支援教育の充実を図るため、すべての小中学校で、すべての教員が特別な支援を必要としている児童・生徒に対して、適切な支援を行えるようする。特別な支援を必要としている児童・生徒への適切な支援は、すべての児童・生徒にとって適切な支援となるユニバーサルデザインの考え方に基づいた指導を行えるようにする。教員一人ひとりの理解を深め、指導力を高めるである。
H26年には日野市発達支援センターの設置が計画されている。現在健康福祉部発達支援室で0〜18歳までの切れ目のない支援体制の構築が少しずつ進んでいる。中高生への支援では、社会に適応できるよう技術を習得するトレーニングが予定されている。小さいころから生活の中で周りの人たちと接する機会が多くあることが、この時期に技術を学ぶということよりも大事ではないかと私は考える。