2011年建設環境委員会視察報告 7月20日〜21日 その①

福岡県大牟田市「大牟田エコタウン事業」について

平成10年に全国で5番目(現在は26ある)のエコタウン地域として、(旧)厚生省と(旧)通商産業省の共管事業で承認を受けた有明海に臨む「大牟田エコタウン」は、東京ドーム約7個分の広さ。国は資源循環型経済社会の構築を目指すとし「新規産業創出環境整備プログラム」として産業分野別に雇用も増進する策を打ち出し、エコタウン事業はH9年度から全国で展開されている。大牟田市では、石炭産業が盛んな時代から採炭後の捨て石置き場としてきた所をエコタウンとして利用した。現在は、環境省と経済産業省の管轄となっている。

エコタウンで大牟田市が関わっている施設として、H14年6月「大牟田市エコサンクセンター」(市民交流環境学習の場、環境技術開発、企業化支援、研修セミナー開催)を建設、その12月「大牟田・荒尾RDFセンター」(可燃ごみを細かく乾燥させペレット状にし発電に利用、ごみの最終処分場が不要)、同時に「大牟田リサイクル発電所」(ペレットを燃やして発電し、九電に売電)稼働H15年に「大牟田市リサイクルプラザ」を稼働させている。その他環境リサイクル産業を積極的に企業誘致するため、立地・雇用奨励金制度を設け、使用済み紙おむつをリサイクルする企業、乾電池からレアメタル回収、自動車部品のリサイクル、燃やさない木くずリサイクルなどの企業が現在ある。エコタウン全体の土地利用は現在44%で、残りの土地はまだ空いている。

炭坑を産業として昭和初期まで発展し続けてきたまちが、新たな産業の掘り起こしとして環境リサイクルの分野を取り入れた大牟田市。三菱化学工場(写真下)の近くにある旧三池炭坑は世界遺産への登録へと進めている。あとで分かったことだが、新大牟田駅に九州新幹線が入線し開業したのは、「3・11」の翌日3月12日であった。