府中市内でも広がっている「サービス付き高齢者専用賃貸住宅」の建設

低所得者対策や医療連携も必要

府中市内の法人が診療所併設の「サービス付き高齢者専用賃貸住宅」を12月1日に開設した。土地に関しては、市の土地を無償で貸与している。そのため、家賃・管理費・基本サービス料はできるだけ低所得者向けに開設したいという法人の意向でもあり、早くに待機者がでている。

来年度にはあらたに市内に3か所がオープンする予定。建設費には補助金が利用でき、ニーズもあると見込まれる。介護保険事業サービス以外に基本サービスがどの程度の内容か、医療連携体制がどのように取れるのか、ワーデンと呼ばれる管理人の質の担保も重要と考える。厚生年金生活者対応型の毎月の支払額が主流であり、家賃・管理費・基本サービス料金を合算し、配食サービスも含め、介護・医療が必要となれば月約30万円を払い続けながらの生活となる。

東京都の高齢化率は上昇を続け、2015年には24.2%、2035 年には30.7%に達し、都民のおよそ3 人に1 人が65歳以上の高齢者という極めて高齢化の進んだ社会が到来することが見込まれている。そして、2025年には、65歳以上の高齢者の単身世帯がその中の14.4%になる推計が提示されている。今後高齢者のすまいと福祉サービス等の融合した政策の推進が必要であると示され、東京都・猪瀬副知事は、2009年から2014年までに医療・介護連携型を含め、ケアサービス付の賃貸住宅を新たに6,000戸(7,000人対象)増やすために、国費を含め1,312億円で整備すると具体的計画を掲げた。

住宅の建設は進められてきているが、利用する側から見てどうなのか、今のところ第三者機関による審査等の義務付けはなく、満足度調査やモニタリングをする考えを持っているかどうかも法人の姿勢が問われる。

国が示す介護療養病床の廃止に伴い、医療的ケアが必要な方が住み慣れた地域で住み続けられる体制をどのように構築するか、福祉との融合での住宅政策は選択肢が広がったことは一歩進んだが、そこには医療連携が進まないことにはまだまだ課題は多い。